全国高校野球選手権大会7月17日開幕 熱闘!118校
【富士東 三木 上から横から ~変幻自在投法を特訓~】
富士東はエース三木良介(3年)が変幻自在の投法を特訓中だ。打者によって上手と横手を使い分けるテクニックを身に付け、昨夏16強入りの勢いを再現する。
伊豆中央は、苦い昨夏を経験したエース山田雅由(3年=右投げ右打ち)が雪辱の今夏に挑む。 昨夏、48年ぶりに復活した大仁は部員不足で今春の東部地区大会を不参加。その悔しさをこの夏に晴らすつもりだ。
日刊スポーツ静岡版 平成16年6月12日(土)掲載
夏の大会チーム紹介
昨夏、シード校の静岡商業を破るなどして16強入りを果たした富士東。今年はさらなる飛躍をかける夏だ。母校で就任2年目となった古殿和彦監督(39)は「集中してここという時に力を発揮できれば(練習試合の)勝敗ほどの力ではない。ロースコアで戦えるようになってきた」と自信を見せる。
接戦でポイントとなるのがエース三木の出来だ。一昨年夏にひじを故障して野手にコンバートされたが、昨年の秋季大会中に投手に復帰。「自分から投手をやりたいと言いました。1年間投球練習はしてなかったけど」(三木)。するとわずか1週間の練習試合で2失点完投の好投で引き分けに持ち込み、チームの連敗を10で止めた。さらに敗者復活戦では4回戦で敗れはしたものの、そこまで3連勝を挙げるなどチームに勝ち運を持ってきた。「制球がいいと思っていたが予想以上に実戦向きだった」と指揮官。
さらに三木は夏に向けてバージョンアップを図る。「1ヶ月前にキャッチボールで遊び感覚でやっていたらチームメイトに『いいぞ』と言われて」と三木。従来の上手投げに加え、打者によって横手投げも使い分ける広島ベイルばりの変幻自在の投法に挑戦中だ。
5月30日の静岡北との練習試合で実戦投入して「まだ分からないけど試してみる価値はあると思う」と手応えもつかんだ。横手の制球と内外の揺さぶりを徹底的に磨いている三木は「目標はとりあえず初戦突破。平常心で当たったところに勝つだけ」。夏までに新投法をマスターして昨年以上の躍進を狙う。【北条貴史】 |